抵抗型線形ひずみセンサー

Resistor Type Strain Sensor: An Overview

Overview

ひずみセンサは一般に抵抗型静電容量型に分類される。中でも抵抗型ひずみセンサは構造がシンプルで作製が容易であり、電圧分割回路などを用いた簡便な信号取得が可能である。一方で、エラストマなどの柔軟材料を用いた場合、材料のヒステリシス導電ネットワークの変化の影響を受けやすく、ひずみと抵抗変化率の関係は一般に非線形特性を示す。

この非線形性は補正や機械学習によるキャリブレーションを必要とし、高精度なひずみ検知の障害となる。


Mechanism

抵抗型ひずみセンサは、機械的変形を電気抵抗の変化として検出する。感度は**ゲージファクタ(GF)**によって表され、以下のように定義される:

GF=ΔRR0εGF = \frac{\Delta R}{R_0 \, \varepsilon}

ここで、R0R_0は初期抵抗、ΔR\Delta Rは抵抗変化量、ε\varepsilonはひずみである。

理想的にはGFが一定であるほど、ひずみと抵抗変化の関係は線形となり、補正なしで高精度な計測が可能となる。


Method

本研究では、CNT(カーボンナノチューブ)電極の初期構造を制御することで、ひずみと抵抗変化の線形関係を実現するpre-strain法を提案する。

作製プロセスは以下の通りである:

  1. エラストマ基板を一軸方向に事前に伸長する
  2. その状態でCNT粉末を表面に塗布する
  3. 基板を元のひずみ0の状態に戻す

このプロセスにより、CNT凝集体が配向し、密度が増加することで導電ネットワークが強化される。その結果、ネットワークの断裂が抑制され、安定した抵抗変化が得られる。


Material

基材にはヒステリシスの小さいアクリルエラストマを採用した。これにより動的変形時でも応答遅れや残留ひずみの影響が小さく、センサの再現性が向上する。

また、CNT粉末を直接塗布する簡便な手法を用いることで、特別な装置を必要とせずに低コストでセンサ作製が可能である。


Result

提案手法により、以下の特性を実現した:

  • ひずみ0–100%においてGF ≈ 1.46で一定
  • 抵抗変化のばらつきが小さく、高い線形性を実現
  • 繰り返し変形に対しても安定した基準抵抗

従来のCNTベースひずみセンサで問題となっていた非線形性やドリフトを大幅に改善している。


Application

開発したセンサを用いて膝関節の動作検知を行った。

  • 膝角度に対して線形な応答を取得
  • 歩行および走行の動作識別が可能
  • 動的条件下でも安定した繰り返し応答を確認

Conclusion

pre-strain法によりCNTネットワークを最適化することで、

  • 抵抗型ひずみセンサの非線形性問題の解決
  • 補正不要な高精度ひずみセンシング
  • 簡便かつ再現性の高い作製手法の確立

を実現した。本手法はウェアラブルデバイスやソフトロボティクス分野における高信頼な柔軟ひずみセンサへの応用が期待される。